子供のより良い成長を見守る中で「咬み合わせと顎の発達の問題」は、日常生活の習慣が強く影響していると考えられます。 徴候のうちに軽減していくことが大切と思っております。悪化がはっきりしてくれば誰でも気が付きます。しかし、私が診る多くの子供の咬み合わせ問題は、上顎骨の前方・側方発達の劣成長と下方への発達方向のための付随現象として現れていると思われます。 数値にすればわずかな違いが、全体として立体的に感じ取れば問題な点に気付くことが多くあります。 例えば気象予測をスーパーコンピュータの高い精度で当てていく一方、地震予測について小動物の敏感な感性による奇行を、今の時点で関係無いとして完全に否定することはできません。まだ十分に活用されていないだけだと思います。

矯正歯科医学のエビデンスを容易に否定することはできませんが、十分満足いくものとも思えません。 子供の一生を考えたとき「木を見て森を見ず」であってはならないと思います。 治療のクオリティ(質的完成度)をより高めようと考えたとき、歯並びの改善だけに終始せず、重要度の優先順位を考え直す必要があると思います。歯並びの乱れを考えたとき「歯並びは火事そのものではなく火災報知機が鳴っているようなもの」と考えます。 顔貌の発達や舌の姿勢、口腔周囲筋を含む機能、悪い姿勢、口呼吸等の習癖の方が火事そのものであり、より悪い影響を全身に与えるかもしれません。その結果が歯科的には歯並び、顎の大きさ・位置異常に現れていると思われます。

成人の場合、歯並びの悪さから起こりやすくなる虫歯、さらに顎位の悪さから顎運動時にストレスが加わり、歯周病が重症化し、歯の喪失に至ることが多々みられます。 また、上顎骨の幅と前方への成長発育からくる下顎の後退位が潜在的に無呼吸症候群にも関係していると思っております。以前から歯科矯正学的には懸念されていたことです。
最近、医科の治療分野から「顎が小さい」と起こりやすくなるという、全身の健康に深く関わる情報が発信されるようになりました。現在広く行われている子供の治療法を考える時、歯並びだけでなくもっと別の視点でみる必要があると言えるかもしれません。

 

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